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ほりえ則之 議会報告

平成27年第1回神奈川県議会定例会

平成27年第1回県議会、2月17日から3月13日までの25日間の会期で開催

27年度一般会計予算他   61件
26年度一般会計補正予算他 41件   合計 104件

知事説明

(本日提案の平成27年度当初予算案は、4月知事選挙の為、骨格予算として編成。)

1 景気動向と県財政の状況について

 景気動向につきましては、個人消費などに弱さがありますが、生産に持ち直しの動きがみられることから、政府は、1月の月例経済報告で緩やかな回復基調が続いているとしています。
先行きについては、消費者マインドの弱さや海外景気の下振れなどに対する懸念もありますが、雇用や所得環境の改善傾向が続くとともに、原油価格の下落の影響などもあり、緩やかに回復していくのではないかと期待しているところです。

2 県税収の見通しについて

 県税収入の見通しですが、平成26年度は個人県民税について、株価の上昇を反映して大幅な増収が見込まれるほか、法人二税も、26年3月期の企業決算が当初予算編成時の見通しを上回る増益決算となったことを反映し、増収が見込まれます。一方、地方消費税については、個人消費に弱さがみられることから減収が見込まれていますが、県税収入全体では、当初予算計上額を166億円上回る1兆1,607億円を見込んでいます。
 次に、平成27年度ですが、地方消費税については、26年4月の税率引上げの影響がほぼ平年度化することなどにより、大幅な増収となる見通しです。

3 法人二税について

 国税である地方法人特別税から法人事業税への一部復元などにより、平成26年度当初予算額を大きく上回る見通しであるほか、個人県民税も、株式等の配当に対する所得が前年を上回る見込みであることから増収が見込まれます。
 一方、地方譲与税などを加えた税収全体では、平成26年度当初予算額を、1,038億円上回る1兆3,270億円となり、これまでのピークである19年度の税収を超え、過去最高額となりました。しかしながら、これは消費税率引上げなど税制改正による増が大きく寄与しているためであり、本格的な税収の回復には至っていないのが実態です。
 なお、消費税引き上げに伴う増収分のうち、市町村交付金を除いた621億円については、社会保障の充実や安定化のため、子ども、子育て支援や急速な高齢化に伴い増加する介護・医療関係費への対応などに活用します。
 また、個人県民税の超過課税については、39億円の税収を見込んでおり、平成24年度からの「第2期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」に基づく取組みを着実に進めるための財源として有効に活用します。さらに、法人二税の超過課税についても、160億円を超える税収を見込んでおり、道路等の社会基盤整備の財源として有効に活用します。

4 財政健全化に向けた取組みについて

 これまで「県債管理目標」の達成に向けて、県債の発行抑制に努めた結果、平成4年度以降、赤字が続いてきたプライマリーバランスは、26年度最終予算において黒字に転じ、30年度までに黒字化するとしてきた目標を4年前倒しで達成することができました。
 一方、平成3年度以降、増加の一途をたどってきた県債残高については、平成27年度当初予算においては、前年度より減少していますが、道半ばであり、引き続き目標達成に向けた努力が必要と考えています。
 歳出面でみますと、介護・医療・児童関係費は、この10年間で約2.4倍となっており、今後についても急速な高齢化などに伴い一層の増加が見込まれています。

5 平成27年度当初予算

 骨格予算として編成していますので、施策の実施の判断を今後に委ねるべき事業については、当初予算での計上を留保し、義務的な経費を中心に計上しています。

6 当初予算案の主要な施策について(七つの施策)

① 「安心・安全」について

 大規模な災害への対応力の強化として、地震災害の被害を軽減する減災対策を効果的に実施するために、新たな地震防災戦略を策定するとともに、市町村が減災に向けて行う取組み等に対して支援します。また、火山災害対策について、箱根地域における火山監視機能を強化するほか、降灰時に救出救助活動を的確に行えるよう資機材の整備を行うとともに、火山災害を想定した訓練を実施します。
 さらに、県内の消防の連携強化を図るため、本県で初めて消防広域活動訓練を実施するとともに、消防団への入団促進の啓発事業を実施するほか、震災時に倒壊して、緊急輸送道路の通行障害を引き起こすおそれのある建築物の耐震診断や耐震改修に対して、市町村と連携して助成します。
 次に、犯罪や事故のない安全で安心なまちづくりとして、ストーカーやDV、特殊詐欺への対応を強化するため、警察官60人の増員を行うとともに、引き続き、振り込め詐欺等被害防止コールセンターを運用するほか、防犯カメラや操作用資機材の整備を進めてまいります。

② 「産業・労働」について

 ヘルスケア・ニューフロンティアの実現を加速化するため、本県が指定されている3つの特区を活用しながら、「最先端医療関連産業」、「未病産業」の創出に向けた取組みを展開します。
 このうち、「最先端医療関連産業の創出」では、今後、大きな成長が見込まれる再生・細胞医療分野の実用化、産業化を推進するため、その拠点となる(仮称)ライフイノベーションセンターの整備を推進するとともに、企業や研究者等の集積を図るためのPR活動を実施します。
また、最先端技術を活用した医療機器の実用化を促進するため、昨年9月に開設した「かながわ医療機器レギュラトリーサイエンスセンター」において、医療機器の評価・実証や、それに関わる人材育成等を行い、医療機器の開発を支援します。併せて、県立病院機構における臨床研究開発機能を強化します。
 また、「未病産業の創出」では、「未病(ME-BYO)」の価値を世界に発信するため、本年10月を「未病月間」と定め、「未病サミット神奈川2015 in 箱根」を開催するとともに、市町村と連携し、サミットに関連したイベント等を実施します。
 次に、さがみロボット産業特区の推進については、生活支援ロボットの実用化を通じて、県民の安全・安心の確保及び地域経済の活性化を図るため、ロボット関連の研究開発や実証実験、関連産業の集積等への支援を行います。
 また、観光立県かながわの実現に向けて、海外向けの観光プロモーションを展開し、外国人観光客の誘致促進を図ります。
 さらに、昨年訪問したベトナムと本県との間で、ビジネス、文化、食などの幅広い分野で相互交流を促進するため、「ベトナムフェスティバルin神奈川」を初めて開催します。
 このほか、中小企業の経営基盤の安定等を図るため、中小企業制度融資の融資枠について、前年同額の2,600億円を確保しました。
 次に、農林水産業の活性化として、県内酪農業の経営強化を図るため、優良な乳牛の増産による牛乳生産力の向上や県産牛乳のブランド化などに取り組むとともに、木材の流通量を増加させるため、原木市場の拡張整備に対して助成します。

③ 「健康・福祉」について

 ともに生き支えあう地域社会づくりとして、手話言語条例が目指す共生社会の実現に向けて、手話推進計画の策定に取り組むほか、生活困窮者の自立支援などに取り組みます。
 また、高齢者が生き生きと暮らせる社会づくりとして、「運動による認知症予防プログラム」を26年度は県政地域の2市8町でモデル事業として実施してきました。これを27年度は「コグニサイズ」として、民間企業や市町村と連携し、県内33市町村全てに普及・展開します。
 このほか。県営住宅を高齢者が健康に暮らせる「健康団地」に再生するための整備に取り組みます。
 さらに、障害者が地域で安心して暮らせる仕組みづくりとして、障害者の工賃向上のための複数の障害福祉サービス事業所が共同して受注や品質管理等を行う仕組みを強化します。また、平成29年12月の新病院棟のオープンに向けて、「神奈川総合リハビリテーションセンター」の整備工事を行います。
 次に、「地域における保健・医療体制の整備」について、健康寿命日本一を目指した取組みとして、「未病を治すかながわ宣言」に基づき、健康寿命の延伸に向けて、「食」、「運動」、「社会参加」などの取組みを着実に推進します。  また、保健・医療体制の整備として、「団塊の世代」の方々が75歳以上となる2025年に向けて、地域における医療・介護サービスの提供体制を強化するため、地域医療介護総合確保基金を活用して、在宅医療や在宅歯科医療の体制の整備・充実、医療従事者の確保に取組みます。
 さらに、引き続き「風しん撲滅作戦」を展開するほか、県立がんセンターで現在整備中の重粒子線治療施設を完成させ、平成27年12月から治療を開始します。

④ 「子ども・子育て」について

 「子ども・子育てを支える社会環境の整備」として、平成27年度から実施される「子ども・子育て支援新制度」へ着実に対応するため、市町村が行う教育・保育サービスの提供や放課後児童クラブの運営などの取組みを支援します。
 また、待機児童対策の一層の推進のため、市町村と連携して保育所を103箇所整備し、5,000人規模で定員増を図るとともに、待機児童の8割を占める0~2歳児の受け入れを促進するための補助制度を創設するなど、待機児童解消に向けて取り組みます。
 次に、「支援を必要とする子ども・家庭への対応」として、平成29年4月オープンに向けて、情緒障害などがある子どもに対して、専門的なケアを行う児童自立支援拠点を整備するほか、里親委託を推進するため、新たに「里親センター」を設置し、里親に対する支援や制度の普及啓発を強化します。
 また、「明日のかながわを担う人づくり」として「まなびや計画」に基づく県立学校の耐震化などを着実に進めるほか、特別支援学校に入学を希望する児童・生徒の増加に対応し、横浜北部方面特別支援学校の設計調査に着手します。
 このほか、県立体育センターと総合教育センターの再整備に向けた調査を行います。

⑤ 「エネルギー・環境」について

 「神奈川からの新たなエネルギー政策の展開」として、かながわスマートエネルギー計画を推進するため、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー等の更なる普及拡大とともに、安定した分散型電源の導入拡大などに取り組みます。
 特に、「水素社会」の実現に向けて、販売が開始された燃料電池自動車(FCV)の購入費に対して国の補助金の半額を補助する全国でもトップレベルの補助制度を創設し、40台分を予算計上したほか、県においても公用車として導入します。
 また、電気自動車の一層の普及拡大と観光振興を図るため、電気自動車を宿泊施設に配置し、観光客がレンタルで利用するカーシェアリングモデル事業にも取り組みます。

⑥ 「県土・まちづくり」について

 「総合的な交通ネットワーク形成の推進」として、県民生活の利便性向上や地域経済の活性化を推進するため、「かながわのみちづくり計画」に基づき、幹線道路網の整備を進めます。また、神奈川東部方面線の整備に対して引き続き助成するとともに、リニア中央新幹線の県内駅の整備に向けて、相原高校の移転準備に着手するなど鉄道網の整備も進めます。
 このほか、ゲリラ豪雨等による自然災害を未然に防止するために、「都市河川重点整備計画」に基き、18河川について重点的に整備を進めるとともに、土砂災害警戒区域等の早期指定に向け、指定に必要な基礎調査を引き続き進めてまいります。

⑦ 「県民生活」について

 「スポーツを楽しむくらしづくり」として、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、各国・地域が行う事前キャンプの誘致に取り組むほか、すべての人が自分の運動機能を活かして同じように楽しみながらスポーツをする、観る、支える「かながわパラスポーツ」の普及を推進します。
 このほか、男女共同参画社会の実現に向けて、4月に新たにオープンする「かながわ男女共同参画センター」を拠点に、人材育成や普及啓発などに取り組みます。

 以上の施策を中心に、予算編成を行った結果、一般会計の予算総額は、対前年度比104.5% 1兆2,057億円、地方交付税 610億円、臨時財政対策債を含む県債 2,303億円などを 計上し、さらに各種財源対策も講じながら、収支の均衡を図った次第です。
 なお、知事選挙後の肉付け予算に対応するための財源として、県税収入のうち50億円の計上を留保しています。

7 平成27年度当初予算所感

 平成27年度当初予算では、景気の回復により、個人県民税と法人関係税で実質的な増収が213億円ありました。その一方で、地方交付税と臨時財政対策債の合計は、26年度当初予算額から 540億円の減額となるため、実質的に財源は増えていません。
 根本の問題は、やはり地方の仕事量に見合った税源がない、ということにありますので、国と地方の仕事量は4対6なのに、税源は6対4と逆転していることを解消する必要性を、改めて強く感じた。

8 予算案以外の案件について

 平成27年度関係として、条例の制定5件、条例の改正30件など、全体で39件を提案しています。
条例の制定ですが、神奈川県薬物濫用防止条例は、危険ドラッグなど薬物の濫用の防止を図ることにより、県民の健康や安全を確保するとともに、県民が安心して暮らすことができる社会を実現するため、県の責務や推進体制及び基本的な施策、罰則などについて、所要の定めをするものです。

平成26年度一般会計補正予算案について

 今回の補正予算は、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」を実行する国の平成26年度補正予算第1号の成立に伴い、本県からも経済のエンジンを回す施策に積極的に取り組むため、補正予算措置を講ずるものです。
 主な内容として、この度国が創設した「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金」を活用する事業について。この交付金は、「地域消費喚起・生活支援型」と「地方創生先行型」の2つに区分されており、それぞれ目的あわせて有効に活用することとしました。
「地域消費喚起・生活支援型」では、本県に観光客を呼び込むため、神奈川ならではの魅力ある旅行商品の企画・販売や、県内の旅館やホテルで使用できるプレミアム付き「ふるさと旅行券」の発行・販売等を行うとともに、全国的な観光プロモーション・PR活動を展開し、神奈川の魅力をアピールします。
 また、かながわ産品の消費を拡大するため、オンラインショッピングサイトを開設し、「かながわの名産100選」など本県の名産品を割引価格で提供するほか、未病市場の創出・拡大に向けて、未病関連の商品やサービスを購入する際の負担軽減を図ります。
 「地方創生先行型」では、まず、既に人口減少が始まっている地域での取組みとして、県西地域を 「未病の戦略的エリア」としてアピールし、にぎわいを創出する、仮称ですが、「未病いやしの里センター」の設置を進めるほか、三浦半島におけるサイクリング環境の整備などを支援します。
 また、地域振興策を加速させる取組みとして、「新たな観光の核づくり」の認定地域などにおける先導的な事業に対して支援するとともに、魅力ある神奈川の海への誘客を促進するため、かながわシープロジェクトのプロデュース会議のアイデアを踏まえ、マリンスポーツの拠点整備や国内外への情報発信に取り組みます。さらに、さがみロボット産業特区の取組みの加速化を図るため、早期の立ち上げが望まれている移動介助などの生活支援ロボットの研究開発を促進するとともに、ロボットに実際に触れて体験してもらうキャラバンなどを行います。このほか「未病(ME=BYO)」の概念やヘルスケア・ニューフロンティアの取組みを国内外に発信するため、海外メディアを本県に招聘し、視察・取材イベント等を実施します。
 さらに、全県的に展開する取組みとして、本県への移住や定住を促進するため、仕事や暮らしの情報提供や職業紹介をワンストップで行う、仮称ですが、「かながわしごと支援センター」を設置します。 また、外国人観光客の誘致を促進するため、海外向けの観光プロモーションや情報発信、外国人観光客受け入れのための環境整備などに取り組みます。加えて、少子化対策として、妊娠・出産に関する正しい知識の普及啓発や相談体制の整備などに取り組むとともに、高校生や大学生にライフキャリア教育を行います。あわせて、市町村等と連携して、結婚に向けた機運の醸成を図ります。
 以上が、「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金」を活用する事業ですが、「地域消費喚起・生活支援型」として36億4,000万円、「地方創生先行型」として9億3,900余万円を計上しています。  このほか、公共事業等の追加や、低所得者向けの生活福祉資金貸付原資の助成などについて必要な 予算措置を行います。
 補正予算の規模は、2,300余万円で、財源としては、国庫支出金、地方交付税、県債などを活用し、収支の均衡を図っています。