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ほりえ則之 議会報告

平成27年第2回神奈川県議会定例会

黒岩祐治県知事所信表明・議案説明

1 新しいエネルギー体系の確立について

 これまでも、この神奈川から太陽光発電の普及の流れをリードしてきました。目指すのは、大規模発電所を中心とした集中型電源から、再生可能エネルギーなどを活用した分散型電源への転換です。
エネルギーをできるだけ自分の生活の近いところでつくる、まさにエネルギーの地産地消を図ろうということです。
 一方、地球温暖化対策の観点では、先日、ドイツ・エルマウで開かれた主要7か国首脳会議で、安倍総理大臣が2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で26%削減することを表明しました。
再生可能エネルギーが大きな鍵を握ることは間違いありません。
 本県では「かながわスマートエネルギー計画」において、2030年度の電力消費量の45%を、再生可能エネルギーなどの分散型電源で賄うこととしています。
これからが再生可能エネルギーの本格的な普及の始まりです。その強いメッセージを内外に発信し続け、神奈川からエネルギー革命を強力に推進します。

2 超高齢社会への対応について

 神奈川は、全国で一、二を争うスピードで超高齢社会が進行しており、今のままのシステムでは間違いなく破綻する。そんな危機感を持って、超高齢社会を乗り越える世界のモデルを作ろうと、「ヘルスケア・ニューフロンティア」の旗を掲げてきました。国家戦略特区を含む3つの特区を勝ち取ることができたのは、私たちにとって大きな力となっています。引き続き、「食」「運動」「社会参加」など、未病を治すためのライフスタイルの見直し、最先端医療・最新技術の追求、介護・医療など生活支援ロボットの実用化などを積極的に進め、高齢になっても誰もが生き生きと健康に暮らし、長生きできる健康長寿を実現します。

3 国際観光の推進について

 東京オリンピック・パラリンピック、また横浜市。・神奈川県が開催都市の一つとなっているラグビーワールドカップ2019、この2つのビッグイベントを追い風に、世界中のお客様に神奈川に来て頂きたい。
 そのために、横浜、鎌倉、箱根に次ぐ第4の観光の核づくり、文化芸術の魅力で人を引き付け、地域の賑わいを創出するマグカル、魅力ある神奈川の海への誘客を促進するかながわシープロジェクト、こういった取組みを一層加速します。あわせてプロモーションやウェブサイトなどを活用した情報発信により、神奈川の魅力を世界に向けて効果的にPRし、外国人観光客の誘致に積極的に取り組みます。

4 地方創生の推進について

 本県は、県全体の人口は今も増加しているものの、県西地域と三浦半島地域では、既に人口減少が進んでいます。東京圏の中にあって、神奈川も一地方だ、という強い危機感を持って早急に対策を講じていかなければなりません。地方創生においては、地域がそれぞれの個性を生かし、創意工夫しながらマグネットの力を持つ、磁力のように人を引き付けることが何より大事だと考えています。
 今後、神奈川県地方創生推進会議のける議論や、市町村の意見を踏まえ、神奈川県人口ビジョン及び神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略を、今年度のできるだけ早い時期に策定したいと考えています。そして、この総合戦略には、3つの特区を最大限活用した成長産業の創出など、経済のエンジンを回す取組み、また、若い世代が安心して結婚、出産、子育てができるよう、結婚から育児までの切れ目のない支援や、女性の活躍支援など、具体的な策定を盛り込み、神奈川に住みたい、住み続けたいと思えるような、神奈川らしい地方創生の取組みを進めます。

5 安全・安心の確保について

 私たちは、未曽有の大災害であって東日本大震災を経験し、また首都直下地震の切迫性が指摘される中、地震防災対策は喫緊の課題です。
 本年3月、県の地震被害想定調査委員会が、東日本大震災後に得られた新たな知見に基づいた「神奈川県地震被害想定調査」をとりまとめ、この5月に神奈川県防災会議に報告し、公表しました。
 この、地震被害想定調査結果を踏まえ、本年度中に「神奈川県地震防災戦略」を改定し、減災の取組みを進め、県民のいのちを守る、地震防災対策を推進します。
 なお、安全・安心に関連して、大涌谷周辺の火山活動への対応については、引き続き、箱根町と協力しながら、「人的被害ゼロ」「風評被害ゼロ」を目指して、取り組みます。
 以上申し上げたテーマのほかにも、子どもの貧困や児童虐待など、子どもや青少年をめぐる問題への対応、PM2.5濃度の低減を含めた大気環境保全、障がいのあるなしに関わらず、できるだけすべての子どもが共に学ぶ仕組み、インクルーシブ教育の推進など、取り組むべき県政課題が山積しています。そこで、これからの4年間で重点的に取り組むプロジェクトを、「健康長寿」「経済のエンジン」「安全・安心」「ひとのチカラ」「まちづくり」の5つの柱にまとめた、「かながわグランドデザイン実施計画」を策定し、これらの課題にしっかりと対応します。

 本県では、昭和50年代から様々な行政改革にと取り組み、量的削減を進め、かなりのレベルまでスリム化を図ってきました。しかし、今後も削減中心の行政改革を続けることで、県民サービスの向上を図ることができるのか、それは疑問です。そこで私は、これからは削減中心ではなく、「質的向上」に着目した改革を推進する必要があると考えています。
 この「質的向上」に着目した改革とは、業務量を考慮した上で、職員・組織・仕事の質を向上させ、行政組織の総合力を高め、県民サービスの向上を図る改革です。
 この「質的向上」に着目した改革に取り組んでいくため、平成27年度から30年度までの4年間を取組期間とする「行政改革大網」を策定します。
 改革を進めるにあたって重要なことは、何をしたかではなく、何ができたかとういう成果を重視することです。成果を出すために、どのようなパフォーマンスが発揮できているかを検証することで、県民にとって価値ある政策を提供します。
 また、この行政改革大網では、スマート県庁改革にも取り組むこととしています。スマート県庁とは、ICTを活用し、職員の意識改革や業務プロセスの見直し、情報と知識の共有化などを推進するものです。
 そのねらいは、県民サービスの向上を目指し、県の業務を効率化し、職員の生産性を高めることにあります。
 「質的向上」に着目した行政改革の推進によって、政策立案と施策実施のスピードアップを図るとともに、成果を重視する県庁を作り上げ、県民サービスの向上につなげます。

補正予算案について

 27年度当初予算は、骨格予算でしたが、県民の安全・安心の確保などにしっかりと取り組むとともに、成長戦略の実現に向けて、神奈川から経済のエンジンを回す予算としたところです。
 今回の補正予算では、こうした取組みをさらに加速する予算として編集しました。
 補正予算案の主な内容について、5つのプロジェクトの柱に分けて、ご説明します。

(1)「健康長寿」について

 ヘルスケア・ニューフロンティアの実現を加速するため、3つの特区を活用しながら、「最先端医療関産業」、「未病産業」、「ヘルスケアロボット産業」の創出に向けて取り組むとともに、ヘルスケア・ニューフロンティアを支える基盤を整備するため、「国際的な医療人材の養成」、「グローバル戦略の推進」、「ヘルスケアICTの推進」などの取組みを展開します。
 次に、「健康寿命日本一を目指した取組み」として、「未病を治すかながわ宣言」に基づき、病気の進行過程が未病の典型例である糖尿病について対策の重要性を普及啓発するとともに、地域において未病の考え方を広める未病サポーターの育成などに取組みます。
 また、子宮頸がん予防ワクチン接種後の健康被害への支援についてですが、疼痛や運動機能障害などに対する国の原因究明が進んでおらず、被害者への救済を求めることとあわせ、県としても、緊急対策として、ワクチン接種後の健康被害に苦しむ方に対し、県が独自に医療費等の給付を行うこととしたいと思います。
 さらに、地域における介護サービスの提供体制を確保するため、国からの交付金等を原資として「地域医療介護総合確保基金」を積み立てるとともに、この基金を活用して、地域密着型サービス施設等の整備への支援、介護従事者の確保のための基盤整備や介護従事者の資質向上に取組みます。
 加えて、外国人介護人材を受け入れ、介護福祉士の資格取得と県内への定着に向けた支援等を実施します。
 このほか、医療技術の高度化や在宅医療の拡充など時代に即した看護師養成を行うため、平塚看護専門学校の修行年限を、看護専門学校として県内初の4年とすることで、「看護大学校」として改編し、実習・演習などを充実させた新しい教育課程を導入するため、改修工事の設計等を行います。

(2)「経済のエンジン」について

 かながわスマートエネルギー計画を推進するため、エネルギー自立型の住宅・ビル・街の普及に向けて、省エネと創エネ等により年間の一次エネルギー消費量を正味でゼロにする、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEH(ゼッチ)と、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル、いわゆるZEB(ゼブ)の導入促進に向けた支援を行うほか、再生可能エネルギーの導入加速化や安定した分散型電源の導入拡大のため、立地条件の制約が少ない小形風力発電やガスコージェネレーション等の導入促進に向けた支援を行います。
 また、さがみロボット産業特区については、これまでの開発促進を図る取組みから一歩進めて、生活支援ロボットの普及・定着を実現するため、産業界等のオピニオンリーダー等と連携してロボットの導入を促進するとともに、産業技術センターにおいて、生活支援ロボットの商品化を促進するためのデザイン支援を行います。

(3)「安全・安心」について

 ゲリラ豪雨等による自然災害を防止するため、「都市河川重点整備計画」に基づく河川整備や、土砂災害防止のための施設の整備を推進します。

(4)「ひとのチカラ」について

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、「神奈川育ちのオリンピアン」40人の出場を目標に、若手有望アスリート及び指導者に対して支援を行います。
 また、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催にあたり、開催自治体として大会の開催運営費用を分担するほか、県民向け周知イベントを実施します。

(5)「まちづくり」について

  犬・猫殺処分ゼロ達成を機に、動物保護センターを「動物愛護の拠点」として新たに整備するため、新築工事の調査設計を行うとともに、工事が完成する平成30年度に向け、建設に必要な資金について広く寄附を募っていきます。
 また、自動車の給油時等に大気中に放出され、PM2.5や光化学オキシダントの原因物質のひとつである「ガソリンベーパー」を回収し、燃料として再利用するORVR車法制度化に向けて、啓発・情報発信を行います。
 このほか、県民生活の利便性や地域経済の活性化を推進するため、幹線道路網の整備を進めます。

以上が、今回提案しました補正予算案の主な内容です。補正予算の総額は、一般会計 190億300余万円、 特別会計 10億5,300余万円、あわせて 200億5,700余万円 となっており、一般会計補正予算の財源としましては、当初予算で計上を留保していました県税から44億4,100余万円を充当するほか、国庫支出金、繰入金及び県債などを充当し、収支の均衡を図っています。
 次に、予算以外の案件ですが、今回は条例の制定1件、条例の改正6件、工事請負契約の締結1件、特定事業契約の締結1件など、全体で21件のご審議をお願いしています。
 条例の制定ですが、神奈川県動物保護センター建設基金条例は、動物保護センターの建設資金となる寄附金の管理等を行うため、基金の設置、管理及び処分に関し、所要の定めをするものです。
 次に、条例の改正ですが、主なものとして、住民基本台帳法施行条例及び特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例は、住民基本台帳法の一部改正により、指定情報処理機関制度が廃止されたこと等に伴い、所要の改正を行うものです。
 条例につきましては、このほか地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例など、5件の改正をお願いしています。
 また、条例以外の案件ですが、工場請負契約の締結は、第二分庁舎改修工事請負契約1件をお願いするものであり、特定事業契約の締結は、自動車運転免許試験場の整備などをPFI事業として実施するため、提案するものです。
 このほか、不動産の処分や指定管理者の指定など、12件を提案しております。
 なお、平成26年度の一般会計の決算見込みにつきましては、現在係数を精査中であり、最終確定には至っていませんが、実施収支では黒字決算が見込まれますことを、あわせてご報告申しあげます。

法人二税の超過課税の延長

 法人県民税・事業性の超過課税は、これまで、県政における重要施策の推進に大きな役割を果たしてきたところであり、平成22年11月から実施している現行の超過課税による税収は、「道路等の社会基盤整備」を推進するための財源として活用している。
 この超過課税は本年10月に適用期限を迎えるが、本県を取り巻く財政環境と今後の財政需要を踏まえ、活用対象事業を見直し、次のような基本的な考え方で超過課税を延長する方向で検討を進める。

1 超過課税延長の基本的な考え方

(1) 本県を取り巻く財政環境

ア)特別な財政需要
・本県は大都市圏に位置し、標準税収では賄うことが困難な「特別な財政需要」があることから、これに対応するため、超過課税を活用し、これまで時々の課題に応じた事業を推進してきた。
・今後においても、東日本大震災の発生を契機として新たな「地震防災戦略」を踏まえた対応や、箱根の火山対策、近年増加しているゲリラ豪雨といった自然災害への対策など、県民の「いのち」や企業の活動を守る取組みを一層強化する必要がある。
・また、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催の機会を捉え、神奈川の魅力を世界に向けて発信し、県内経済の活性化につなげるため、幹線道路の整備や、治安及び交通関係設備の整備等の安全対策強化などにより、安全・安心な環境をスピーディーに整備し、「県民も観光客も安心して過ごせる安全な神奈川」の実現に取り組んでいく必要がある。
イ) 本県の財政状況
・緊急財政対策をはじめとした行財政改革に取り組んできたが、地方の仕事量に見合った税源がないという根本的な財政構造は改善されていないため、平成28年度以降も構造的に毎年数百億円規模の財源が不足する見込みである。

(2)超過課税の必要性と新たな活用目的(案)

・厳しい財政状況にあっても、地震防災対策など「災害に強い県土づくりの推進」や「東京オリンピック・パラリンピックに向けた対応」といった「特別な財政需要」に着実に、かつスピーディーに対応するため、超過課税を延長する方向で検討を進める。

現在の活用目的 新たな活用目的(案)
◎ 道路等の社会基盤整備 ◎ 災害に強い県土づくりの推進
◎ 東京オリンピック・パラリンピックに向けた対応

ア) 超過課税を活用し、今後推進する事業(案)
(ア) 災害に強い県土づくりの推進
東日本大震災の発生を契機とした新たな「地震防災戦略」を踏まえた対応や、箱根の火山対策、近年増加しているゲリラ豪雨への対策など、いつ発生するか分からない災害への対応
a 地震・津波対策の一層の強化
・新たな津波浸水予測や地震被害想定調査に基づき策定する地震防災戦略に沿った減災対策
・県民・企業等への情報伝達機能の強化
・市町村が行う地震防災対策への支援
b火山・豪雨・台風などの自然災害対策
・箱根山の監視体制の強化、富士山噴火を想定した対策
・ゲリラ豪雨や台風等に備えた河川等の整備
・治山・法面や林道の整備など
c災害に備えた社会基盤施設の整備
・トンネル、橋などの安全性向上
d災害時に重要な役割を果たす県有施設や、県立学校等の耐震改修
・災害時の避難場所や帰宅困難者の一時滞在施設に指定している県有施設
・県立病院や警察署等
・県立高校
(イ) 東京オリンピック・パラリンピックに向けた対応
東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年に向けて、幹線道路や安全・安心な環境をスピーディーに整備 a幹線道路の整備
・新東名高速道路(厚木南IC、伊勢原北IC,秦野IC)へのアクセス道路
・横浜湘南道路(栄IC~藤沢IC)
・綾瀬スマートインターチェンジ
・高速横浜環状北線
・高速横浜環状北西線
・久里浜田浦線
・三浦循環道路Ⅱ期
・南足柄市と箱根町を連絡する道路
・羽田連絡道路
・広域農道小田原湯河原線
など(IC名称は仮称。)
b安全安心な環境の整備
・ホームドアの設置
・防犯カメラの設置
・信号機や標識の整備

(3)税制措置

原則として、県内すべての法人を超過税率の対象とする。ただし、中小法人への配慮として、資本金や所得金額が一定規模以下の法人には超過税率を適用しない。
超過税率及び適用対象は、現行制度を維持する方向で検討する。
【現行制度】

区 分 税  率 超過税率の適用対象外の法人
法人県民税 4%(標準税率は3.2%) 資本金の額または出資金の額が2億円以下かつ法人税額が年4,000万円以下
法人事業税 ○外形標準課税対象法人
所得割  標準税率の9%増し
付加価値割  〃  5%増し
資本割    〃  5%増し
○その他法人
所得割  標準税率の7%増し
収入割    〃  7%増し
資本金の額又は出資金の額が2億円以下かつ
所得が1億5、000万円以下
(収入金額を課税標準とする法人にあっては、収入金額が年12億円以下)

※地方法人特別税と合わせた実質的な税負担は、標準税率の5%増し

(4)適用期間

平成27年11月1日から平成32年10月31日の間に終了する事業年度分について適用する。(5年間)