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ほりえ則之 議会報告

平成28年第1回神奈川県議会定例会

平成28年第1回県議会、2月15日から3月24日までの39日間の会期で開催 !!

初日黒岩知事の所信表明と議案の表明がなされた。
議案は、平成28年度一般会計予算他60件
    平成27年度補正予算他33件   計 95議案

一般会計予算 県政初の2兆137億4,800万円
特別会計・企業会計を含めた総額は3兆3,698億3,400余万円

黒岩祐治県知事所信表明・議案説明

 所信表明では、この1月6日の核実験に続き、2月7日に北朝鮮が「人工衛星」と称する弾道ミサイルを発射しました。この度重なる暴挙は、北東アジアの平和と安定を求める国際的世論を無視し、日本国に大きな不安を与えるものであり、強い怒りを覚え、極めて遺憾であります。本県としましては、今後も、国や市町村等、関係機関と緊密に連携して県民の安全・安心の確保に向け万全を期してまいります。との決意が示された。
 28年度当初予算案ならびにその他の諸議案について、その概要の説明と併せて県政に対する所信の一端が述べられた。

1 地震防災対策について

東日本大震災の発生から、3月11日で5年になります。ここに改めて犠牲になられた方々に対し、哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた皆様に心からお見舞いの言葉が申しあげられた。
 また、被災地では復興に向けた取組みが着実に進められておりますが、今なお多くの方々が避難生活を余儀なくされており、その道のりは未だ半ばです。
 本県は、神奈川県内に避難されている方々に対し、公営住宅等の提供や、かながわ避難者見守り隊による訪問活動等を続けています。また、全国でも最も多くの任期つき職員を被災地に派遣し,復興のお手伝いをしているところです。被災地の1日も早い復興をお祈り申しあげるとともに、本県としても、引き続き出来る限りの応援をしてゆきたいとの決意が述べられた。
 知事が就任したのは、この3.11の後で県民の命を護る事が最大の使命だという強い思いで、全力で地震防災対策に取り組んできましたとしており、この28年度からは、最新の津波浸水予測や地震被害想定に基づく、新たな神奈川県地震防災戦略をスタートさせるとしており、この戦略掲げた減殺目標の達成に向けて、自助、共助の取組みを一層強化するとともに、住宅揺れたい策や消防団の強化対策など市町村が実施する地震防災対策への支援を拡充し、県と市町村が一体となって災害の強い神奈川を目指すとしております。

2 「人生100歳時代の設計図」について

 本県は、健康寿命社会を実現するため、未病を直す取組みを協力に進めています。そしてこの取り組む先は、元気な状態で人生が100歳まで続くというもの珍しくない時代がやってくることになります。
 我が国の100歳以上の人口は、1963年に153人であったものが、2010年までの50年間で約300倍に増加し、2050年には4,600倍の約70万人にも達するといわれています。既に人生100歳が到来しつつあると言えるとしております。
 今後、この取組みを具体化させるために、先ずは、「人生100歳時代の設計図」というテーマを問題提起させて頂き、県民の皆様をはじめ、市町村や県議会の皆様とも議論してゆきたいとの考えを示しております。

3 平成28年度当初予算は、知事2期目の初めての当初予算

「かながわグランドデザイン2期実施計画に」に掲げる施策を着実に、スピード感をもって実施し、「いのち輝くマグネット神奈川」を実現しなければならないとして、神奈川モデル創造発信予算~いざ!ネキスとステージへ~」として、編成したとしている。
 特に、ラクビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、人をひきつけるかながわづくりや、未病を治す取組みによる健康長寿の実現などを強力に推進し、かながわから経済のエンジンを回してゆく、としております。

4 景気動向と県財政の状況について

 政府は、1月の月例経済報告において、景気は一部に弱さがみられるが、企業収益や雇用が改善していることから、緩やかな回復基調が続いているとしています。
 また、先行きについては、海外の景気の下振れなどに対する懸念もありますが雇用や所得環境の改善が続いている中で、緩やかな回復に向かうことが期待されるとしております。
 こうした中で、県税収入の見通しは、平成27年度は、県税収入全体では、当初予算を465億円上回る1兆2,523億円を確保できるものと見込んでいる。
 平成28年度の見通しでは、法人事業税については、国税である地方法人特別税からの一部復元などにより27年度を大きく上回る見通しであるほか、個人県民税も一人当たりの所得が前年を上回る見込みであることから、県税収入全体では、27年度当初予算額を489億円上回る1兆2,547億円を見込んだとし、そして、この県税に、地方特別譲与税などを加えた税収全体では、1兆3,803億円を計上しております。
 法人2税の超過課税は、198億円の税収を見込んでおり、「災害に強い県土作りの推進」や「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた幹線道路の整備」の財源として有効に活用するとしており、また、個人県民税の超過課税は、39億円を見込んでおり、これを活用して、平成28年度が最終年度なる「第2期かながわ水源環境保全・再生実行5カ年計画」に掲げた事業を着実に進める、としております。

平成28年度予算

「かながわグランドデザイン第2期実施計画プロジェクト編」 の項目により知事説明!

(1)「健康長寿」について

○「未病」について

 健康寿命の延伸に向けて、ライフステージに応じた「未病を治す」取組みを行うこととし、子どものころから「食」「運動」「社会参加」の生活習慣の確立を図る。
 女性に対しては、その活躍を支援するため、若い女性の健康管理問題に関する知識の普及や情報提供を行い、また、認知症のリスクの軽減が期待できる「コグニサイズ」については、指導者の派遣に加え、介護ロボットによる実演などにより、全県展開の取組みを強化し、高齢者の栄養改善のしくみづくりの実証を行うとしている。
 さらに、商店街が「未病を治す」考え方を普及する為、空き店舗を活用してコミュニティカフェ等を設置する経費に対して補助する。
 「医療関係」では、団塊の世代75歳以上となる2025年に向けて、地域における医療サービスの提供体制を強化するため、地域医療介護総合確保基金を活用して、在宅医療や在宅歯科医療の体制の整備・充実,医療従事者の確保等に取り組むとしております。

○「福祉関係」について

 高齢者支援施策として、特別養護老人ホームの整備に対して補助を行うほか、広く県民に介護の仕事の魅力を発信することにより、介護の人材を確保するため、11月の「介護の日」に関連したイベントとして、「介護フェスタinかながわ」を開催とのこと。神奈川手話計画に基づき手話言語の普及を推進してゆくとしております。
 さらに、神奈川総合リハビリテーションセンターについては、平成29年12月の新病棟のオープンに向けて、整備工事を行います。なお、今年6月に親福祉棟が先行してオープンする。

○「ヘルスケア・ニューフロンティアの推進」について

 「未病サミット神奈川宣言」を踏まえ、未病を基軸に、新たなヘルスケア・社会システムの構築に向けた取組みを推進します。
 まず、個人が自らの健康情報等をチェックし、心身の状態の維持・改善に取り組む「行動変革」を促進するため、未病の科学的エビデンスの確立や、効果的に健康情報等を活用できるヘルスケアICTシステムを構築します。
 川崎市殿町地区に整備を進めているライフイノベーションセンターが、4月にオープンすることから、このセンターを中心とした再生・細胞医療関連の産業拠点の形成に向けた取組みを進めます。
 さらに、ヘルスケア・ニューフロンティアを支える人材を育成するため、メディカル・イノベーションスクール設置推進事業費として、県立保健福祉大学大学院に新たに公衆衛生学の研究科を設置する準備に着手する。

(2)「経済のエンジン」について

○「エネルギー」について

 かながわスマートエネルギー計画の着実な推進に向け、NPO法人等が実施する再生可能エネルギー発電事業の初期投資費用に対して補助するなど、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入加速化に取り組みます。
 また、水素社会の実現に向けて。これまでの燃料電池自動車・FCVの導入費への補助に加え、新たに水素ステーションの整備費に対する補助も開始します。このほか、再生可能エネルギーを活用して水素を製造するモデル事業として、簡易型の水素ステーションを設置し、水素エネルギーの普及啓発を行う。
 さらに、ネット・ゼロ・エネルギーハウス、いわゆるZEH(ゼッチ)とネット・ゼロ・ エネルギービル、いわゆるZEB(ゼブ)の導入を促進するための支援を行うほか、中小規模事業者や中小テナントビルに対して省エネ診断や相談会を実施することにより、省エネルギー対策を促進する。

○「産業創出」について

 まず、企業等の立地を促進する新たな企業誘致施策、「セレクト神奈川100」については、産業分野として、未病関連や観光といった、今後、市場の創出や拡大が見込まれる成長産業をターゲットとし、業種としては、サービス業など製造業以外の業種も追加するなど、誘致対象を拡大するするとともに、投資額要件を緩和します。
 また、県外・国外から4年間で、100件の誘致を目指し、経済的インセンティブとして、新たに土地・建物・設備への投資に対し上限5億円の補助を行うこととし、特区制度等を活用する場合は上限10億円に拡大します。
 さらに、中小企業者等の立地のインセンティブを高めるため、最優遇金利を適用した融資を行います。併せて、一部の地域における不動産取得税の軽減措置を拡大します。
 また、中小企業・小規模企業活性化の推進については、中小企業・小規模企業の経営基盤の安定等を図るため、財務・経営の知識を持つ企業OBや中小企業診断士等からなる「小規模企業応援隊」を設置し、経営課題解決に向けた支援を行うとともに、中小企業制度融資の融資枠について、前年同額の2,600億円を確保しました。
 このほか、人生100歳時代を見据えて、シルバー層による企業を積極的に生み出していくため、創業スクールの開催や事業化支援を行うなどシルバーベンチャーの創出を促進します。

○「観光立県かながわ」の実現に向けて

 インバウンドツアーの企画・商品化を推進するとともに、戦略的なプロモーションを行うなど、外国人旅行者を呼び込み、平成30年までに本県への年間訪問者数201万人を達成していきます。

○「マグカル」について

 「ミュージカルあふれる神奈川」を中心に据え、神奈川オリジナルミュージカル「スキヤキ・ソング」を世界に発信するプロジェクトなど、魅力的なコンテンツの創出とその担い手となる人材の育成を行うとともに、地域ゆかりの人物や伝統・歴史を題材にした「地劇」ミュージカルを国際観光戦略の有力なコンテンツとするための支援を行う。

○「農林水産業の活性化」について

 消費者ニーズに応えて生産を誘導する「マーケット・イン」の発想を生かした農産物の生産振興に取り組むとともに、優良な乳牛の増産による牛乳生産力の向上や県産牛乳のブランド化などに取り組みます。

(3)「安全・安心」について

○「減災」について

 災害に強いかながわを目指し、新たな地震防災戦略に基づき、法人二税の超過課税を活用しながら、減災対策を積極的に推進します。
 具体的には、住宅の耐震化・不燃化の取組みや消防防災力の強化など、市町村が実施する減災対策に対する支援を拡充するほか、県災害対策本部における情報通信システムの再構築等を行い、災害時の情報収集・共有機能を強化します。
 このほか、災害時における緊急輸送路となる道路・橋りょう等の安全性の向上を推進するほか、ゲリラ豪雨等による自然災害を防止するため、「都市河川重点整備計画」に基づく河川整備や、土砂災害防止のための施設の整備を推進します。

○「治安」について

 まず、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、地域の防犯力を高めるため、防犯カメラの設置への支援を充実するとともに、性犯罪や性暴力の被害者が、いつでも相談できる24時間365日対応の専用ホットラインを引き続き運営していきます。

○「交通安全施設の整備」について

 著しく摩耗し、見えにくくなっている道路標示を3か年計画で重点的に補修します。
 特に、横断歩道については、歩行者の安全確保のため、28年度からの2か年で集中的に実施します。

(4)「ひとのチカラ」について

○「男女共同参画の取組み」について

  「かながわ女性の活躍応援団」を中心に、女性の活躍を応援する社会的ムーブメントの拡大を図るほか、神奈川なでしこブランド事業により女性の活躍を推進します。
 また、自分らしいライフプランをデザインする力を育成するため、高校生・大学生を対象とした教育教材の開発や出前講座を行います。

○「貧困対策」について

  生活困窮者に対する切れ目のない支援をワンストップで行うため、出張相談会の実施や相談窓口の情報提供等に重点的に取り組みます。また、子どもの貧困対策として、ひとり親家庭等の子ども・青少年が安全・安心に過ごすことができる夜間の居場所づくりを推進するほか、昨年夏のハイスクール議会での提案を受け、子どもの視点を的確に把握して県の施策に反映するため、高校生や大学生もメンバーに入れて、仮称「かながわ子どもの貧困対策会議」を設置します。

○「教育」について

  質の高い教育の充実に向け、生徒の英語力向上を目指す取組みを進めるとともに、グローバル化に対応した先進的な教育の推進のため、国際バカロレア認定校の設置に向けた環境整備等を実施します。
 また、地域との協働により学校運営を行うコミュニティ・スクールの指定を行うほか、学校規模の適正化に向けて、県立高校の再編・統合を進めるなど、県立高校改革を推進します。
 さらに、現行のまなびや計画に替え、28年度を初年度とする「新まなびや計画」を策定し、県立学校の耐震化工事や総合的な老朽化対策等に計画的に取り組みます。
 こうした中でも、特に、緊急な対応が必要な老朽化対策については、28年度からの2か年で先行して実施します。
 また、現在、県立学校には約3,500か所のトイレがありますが、その多くが和式であり、現代の生活様式に合っていないことから、環境改善として、トイレの洋式化を35年度末までに完了させます。

○「スポーツ」について

 ラグビーワールドカップに向け、プロモーション動画の作成・放映や、市町村等とのイベントの開催等により、県内全域での機運醸成を図ります。
 また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、セーリング競技を実施する江の島について、会場整備に係る詳細計画の作成や周辺道路の交通量調査等を実施し、着実に準備を進めるとともに、セーリング競技の体験会等を通じて、機運を醸成していく。
 さらに、東京2020大会への出場が有望なアスリートに対して支援を行うとともに、「かながわパラスポーツ」の推進や教育現場におけるパラスポーツの普及・促進に取り組む。
 このほか、老朽化が著しい体育センターについて、東京2020大会の事前キャンプでの活用も視野に入れつつ、すべての県民のスポーツ振興拠点として整備を進めてまいります。

○「まちづくり」について

 「地域活性化」として、「未病の戦略的エリア」として県政地域の活性化を図るため、    未病の普及啓発を行う拠点施設である、仮称「未病いやしの里センター」を開設するための準備を行うなど、「県西地域活性化プロジェクト」を推進します。
 また、三浦半島に多くの人を呼び込み、定住化を促進する「三浦半島魅力最大化プロジェクト」や、神奈川の海の多様な魅力を国内外に発信し、多くの観光客を呼び込む「かながわシープロジェクト」に取り組みます。
 市町村の地方創生の取組みを推進するため、市町村自治基盤強化総合補助金に特例メニューを新設し、重点的に補助を行います。

○「多文化共生」について

 外国籍県民や本県を訪れる外国人が、安心・安全に過ごすことができるよう、「多言語支援センターかながわ」を設置し、多言語による情報支援を行います。

○「都市基盤の整備」について

 県民生活の利便性向上や地域経済の活性化を推進する必要があることから、法人二税の超過課税を活用して、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、幹線道路の整備の整備を進めます。
 また、神奈川東部方面線の整備に対して引き続き補助するとともに、リニア中央新幹線の整備を促進するため、県内駅設置に伴い移転する県立相原高校の移転先用地を取得し、校舎の新築工事等を行う。
 このほか、犬・猫殺処分ゼロ達成を機に、動物保護センターを「動物愛護の拠点」として新たに整備するため、新築工事の基本・実施設計を行うほか、新たに動物愛護ボランティアの活動経費に対して補助します。



以上の施策を中心に、予算編成を行った結果、一般会計予算は、肉付け後の前年度6月現計予算比で102.3%、総額は2兆137億円と初めて2兆円を超え、過去最大の予算規模となりました。
 これに、特別会計と企業会計を加えた全会計予算規模の合計は、3兆3,698億円となっています。
  また、一般会計の財源といたしましては、県税1兆2,547億円、地方交付税890億円、臨時財政対策債を含む県債1,966億円などを計上し、さらに各種財源対策も講じながら、収支の均衡を図った。
 平成28年度は「セレクト神奈川100」や「県立高校改革」、「新まなびや計画」が新たなスタートを切るほか、これまで取り組んできた「ヘルスケア・ニューフロンティアの推進」や「エネルギーの地産地消」、「ロボットとの共生」、「観光振興の取組み」なども新たな段階、ネクストステージに入ってまいります。介護・医療・児童関係費等の義務的経費にもしっかり対応しながらも、こうした神奈川モデルを創造・発信する事業に積極的に取り組む攻めの姿勢をはっきり打ち出し、まさに神奈川県政のネクストステージのスタートにふさわしい予算になったと考えています。